利回りは投資に対する収益を割合で示したもの
利回りは投資したお金に対して、一定期間でどれだけの利益がもたらされるかを表した数字です。収益÷投資額によって計算されます。
例えば毎月分配型の投資信託で1口10円の払い戻しがある場合、現在価格が1万円なら、月間利回りは10÷1万=1%、年間利回りは12%となります。単純に利回りというと、年間利回りを指すことが多いです。株式用語で配当利回りという言葉がありますが、1年間にもらえる配当金の金額を現在の株価で割った数字のことをいいます。
1を利回りで割れば、投資額がどれくらいの期間で回収できるかわかります。先ほどの投資信託の場合、1÷12%≒8年4ヶ月保有すると元がとれ、いくらで売却しようと儲かったことになります。
預金のような金銭債権の場合、利子がそのまま利回りと考えて差し支えありません。利率が0.05%の預金口座を持っていることの年間利回りは0.05%です。
日本では、株式の配当利回りは3%弱、REIT(不動産投資信託)は4%弱くらいが平均です。国債にいたってはゼロ金利・マイナス金利政策の影響で、ほとんど0%に近い水準です。
ソーシャルレンディングの利回りはどれくらいか
ソーシャルレンディングは高利回りの案件が多いことで評判を呼んでいます。5~6%くらいが中心となっており、2~3%だと低いという印象を受けます。なかには10%を超えるものもあります。
15%を超える案件は基本的にありえません。利息制限法上、貸金業者が100万円以上の貸し付けを行う際の上限が15%だからです。貸金業者である仲介会社の手数料を差し引いて、14%後半が考えられる最高の利回りです。
募集案件には利回りが表示されます。借り手が支払う利息の利率が記載されていることもありますが、多くの仲介会社では手数料を引いた後の数字です。
表面利回りと実質利回りの違いを知っておこう
利回りで重要なのは、表面利回りと実質利回りの違いです。額面給料と手取り収入の違いのようなものです。
どちらも分母が投資額なのは同じです。表面利回りは、投資先から支払われる金額をもとに計算するのに対し、実質利回りで使う数字は、手数料や維持費などの費用と税金を引いた、最終的なもうけです。売上と純利益の違いともいえます。いかに表面利回りがよくても、実質利回りが高くなければ成功とはいえません。
ソーシャルレンディングは実質利回りの計算が非常に簡単で、表面利回り=実質利回りとなることが多いです。前述のとおりほとんどの場合、募集文面に記載されている利回りは手数料を引いたあとの数字です。
税金はほかの収入によってかわります。給与所得者でFXやソーシャルレンディングなどの雑所得合計が20万円を超えていなければ、申告の必要はありません。その場合でも仲介会社の口座を源泉徴収ありにしていると約20%が差し引かれます。
投資信託のような金融商品は手数料体系が少し複雑で、購入・売却・管理それぞれに手数料がかかることがありますが、ソーシャルレンディングでは諸費用などに気を使わずに済みます。投資初心者にも向いているといえます。